就職しました

退職エントリーがあるなら就職エントリーがあってもいいじゃないか。

というわけで10月からクックビズ株式会社に就職しました。

就職といっても、フルコミットより何割かゆるいコミットメントで、現在個人で扱っている案件をすべて切る必要はないという条件で、まずは半年単位の契約でやらせてもらうことになりました。長期的に確保されちゃうことはできないですが、機動力は衰えておりませんので皆様よろしくお願い致しますですよ。

クックビズは、飲食業界を専門とした人材サービスを行っている会社です。ITサービス/ソフトウェア開発そのものの会社ではないので、人の割合でいうと技術の人の割合は少なめです。

なんでまたそこに。

阪急梅田駅と御堂筋線梅田駅のすぐ近く。もちろんJR大阪駅も。ということは...グランフロントもヨドバシも眼と鼻の先です。阪急の高架を抜ければ茶屋町側に出るのもすぐなので、中津の某 1x1 勉強会にも歩いて行けます。ロケーションがいいですね。

で、この場所、事業内容のせいでそうそう移転する心配がないのです。というのも、コンサルタントがサービス利用者を呼んで面談をする必要があるので、カバー地域の中心に位置してることがマストなのです。

グランフロントのナレッジサロン使ってる人は来るとき教えてください。ゲストのふりしてランチにいきます。デザイナー職、エンジニア職の方は、ナレッジサロンから弊社見学に来てくださってもよろしくてよ。

ってだけで就職というとカッコ悪いので、言い訳も足しておきます。

ITの業界って、営業職/企画職といえば開発職の敵みたいなところがありますよね。クリエイティブ方面でも、代理店なりプロデューサーなりと実際のクリエイターの関係といえば、...ねぇ。彼ら営業職は、納品の瞬間がゴールなんですね。売る人たちって、平常運転に入ったらそのあとは、いかに動かないかが勝負、みないなモードになっちゃいます。

そういうビジネスのフローにいると、新規開発が終わった瞬間が一番儲かる、というのが当然みたいになっちゃって、いかに新規を継続的にリリースするかという仕事のやりかたになります。そうでないと赤になる、という考え方が当たり前だと思っちゃう世界(たぶんそれは錯覚)。難しいのは、これ、個人に近くなればなるほど、その傾向が強くなるんですよね。腕の立つ火消し連れて来い、予算は作業の実費ぶんだけある、って具合。

珍しく平常運転にバリュー(保守費ってだけじゃなくて顧客に対する企業価値も)が得られるって考え方の組織があっても、それは組織のもの、みたいなケースがほとんど。まあ、個人の価値を認めてくれるありがたいお客さんはいるので感謝はしてるんですが、そのお客さん自体が納品の対価で商売している以上、新しい技術課題のクリア以外に支払えるものとなると、やっぱりないんですよね。

そもそも売上が安定するはずがない業界ってのははじめから承知。なんだけど、そういう状況にいるとやっぱり気になるのは、システムやデザインの本当の価値ってのが、使い続けるところにある、変化し続けられるモデルを維持するっていう、核心のところなんですよ。

毎日安定して動くか、ユーザのモチベーションが下がらないか、なんかに関心を払うより、納品の瞬間が最高にピカピカしていて満足感が高いものを持ってきて売ってしまうほうが効率いい、みたいな商売の価値観に、少なからず影響される仕事しかしていなかった。なので、ユーザ会社の中に入ってしまうことで、逆に、そういう価値観の外で働く感覚を得るチャンスにできないかと思ったわけです。

ほんとぶっちゃけ、クックビズの営業職はIT製品をなにひとつ売っていないのですね。コンテンツもバナー領域もライセンスも何も売らない。扱っているものが人材と求人だけ。つまり対立ポイントがありえません。これがすごくいい。会社として営業力が高いというだけでも素晴らしいのに、しかもそれが衝突する相手でなく直交関係なんですよ。ここでは、社内の人が営業SEなんじゃなくて、リアルなエンドユーザーです。(普通ここ、自社の営業SEと相手会社の担当SEが挟まりますよね。) もしかしたら、自分でさえ、一部の機能に関してはユーザになりえます。

ちょっとITを直接商売にする場合に思いを馳せると、「リリース時のアウトプット100%の犠牲として保守性を犠牲に」という考え方、これ悪いことみたいだけど、請負であれば程度問題で正義でもあるんですよね。釈明が要らないモノは、担当営業SEの人的コストを下げるので。で、自分が入社する前の現行システム、まだ社内にWeb技術のセクションがなかった頃のコードが、まさにそんな感じでした。すごく頑張って機能を作っているのに、その見た目からは乖離した内部設計っていうアレです。

ああ、もし作る人が「保守開発と付き合う時間のほうが長い」という立場で作り始めていたら...

というわけで、社員として、迷いなく保守性のほうを選べるポジションで、毎日一定のペースで改善していけるソフトウェアが作れるチームを目指して、しばらくやってみようと思います。

cook+bizcoはPinocoとは無関係ですが、かわいいのでお友達になりたいです。すでにPinocoのコードはcookbiz.jpサイトの主な機能に使われています。やっぱ便利やで。