Web制作アンチパターンを考える

Web制作に関連するアンチパターンを探しても、なかなか見つかりませんね。書籍やWebから見えてくるWebデザインの話って、最先端のユーザインターフェースのことばかり言ってて、ちょっと違うなと思うのです。

アンチパターンの原著のような感じで、実際に多くの現場で起こっているのって、もっともっと基礎的なことじゃないかと思うのです。大人なんだから常識でわかるよね、と思えることが通じない。とくに、マルチメディアからWebにかけての畑では、普通の社会常識感覚では起こらない、ばかげたことが多発しているように思います。それも陰謀とかじゃなく、天然で。

なので、純度の高いアンチパターンが明確に定義され、危険な臭いを嗅ぎ分けるのに、いちいち経験が必要だったり、考えたりしなくてもいいようにならないかなと思うのです。客観的に定義されたものを引用できると、相手の反感を買わなくて済むのもおいしいし。

ないなら考えてみようかな、というわけで、実体験とか思いつきとかをメモ。こういうのって、共通して語られてないのかな?そうだとしたら、どこかに集まる場所はないのかな?


「もっと積極的にアイデアを出してください」と言う人に、アプリケーションの安全性を高める設計アイデアを積極的に出すと、「なんで消極的なこと言うの?」と怒り出す。

特定のCMSが独自に持つマクロ機能を駆使して、CMSがもともと対象としていない分野のアプリケーションを開発しようとすると、非常に高い確率で失敗する。作れば何でもできると宣伝する製品ほど、失敗ケースは多い。

「わが社のプラットフォームにゲーム"とか"のコンテンツを供給して欲しい」と言われたら、そのプラットフォームは実稼動後すぐに、運用不能な状態に陥る。

マネージャに確認したとき、「それは固定数だから大丈夫」と言われたら、十中八九、後で要素を追加する必要が出てくる。予算はないけど。

Webページのビジュアルだけを担当したがるグラフィックデザイナーが送ってくるファイルは、決まって、カラーモードCMYKでインチ単位のAdobeフォーマット。

CMSにリッチテキストが必要だとわかる。テキストをマークアップできる文法を考える。エンドユーザから「HTMLとFTPでいい」と言われる。結局、<?php include '...'; ?>

Webページの出力にならPerlを使えるのに、なぜか静的ページをコピー&ペーストで作成する人々。ご苦労様です。

なんでもMySQLに入れるプログラマ。HTMLさえもMySQLに入れてしまい、いつの間にかデータベースにファイルシステムができている。

「競合他社のあの有名な製品と同じようなものを開発したいけど、あれの予算の何分の一で作れるか?」と聞かれたら、絶対にその企画は成立しない。
※あなたがあの有名な製品を世に送り出した天才開発者でないかぎり、費用はかならず一分の一以上だから。

「画面が寂しい」と言った人は、次の週、「画面に追加のボタンを入れるところがない」と言う。

「その技術でこんなことはできますか」と基本的な質問をする人に限って、現代の科学力では誰も達成できないアイデアを、黙って企画書に書き加える。

クリエイティブなアニメーション演出を伴うとき、「閉じる」のないオーバーレイを「開く」ボタンが作られる確率が高まる。

散文的な要求を出す人は、その要求を整理してしっかりとヒアリングされると、「プログラムのことはわからないからお任します」と逃げてしまう。いや、べつにプログラムのことは聞いてないってば。


ツッコミ大歓迎です。